住宅ローンの事前審査

注文住宅の新築にあたり、その代金はかなりの金額にのぼりますので、たいていは金融機関の住宅ローンを申し込んで、その支払いに充てることになります。住宅ローンといってもさまざまな金融機関が取り組んでいて、種類も多岐にわたるものですが、通常は申し込みを金融機関が受け付けた段階で、事前審査とよばれるプロセスを通過し、その後に正式な審査に移行することになります。この事前審査があることによって、正式な審査にパスできるのかどうかがある程度わかりますので、施工会社と注文住宅の新築に関する契約の手続きなどをあらかた進めてしまった段階になって、正式な審査に落ちてしまい、支払いのめどが立たなくなってしまったといったトラブルに陥ることを防ぐことができます。
住宅ローンの事前審査ですが、これは金融機関によっても異なるものではあるものの、年収が分かる資料として会社が発行した源泉徴収票、家族構成がわかる資料として世帯全員の健康保険証、勤務先の概要がわかる資料として会社案内、注文住宅の施工業者に関する資料として施工業者の会社のパンフレットなどといったものを手元に用意しておくように要求されることがほとんどです。これらの書類と申込書の記載内容を照らし合わせ、さらには信用情報機関が保有している個人の金融情報なども加味して、慎重に審査が行われることとなります。
事前審査は基本的には数日程度、遅くとも1週間を超えることはない程度の時間で終了し、結果が伝えられるのがふつうといえます。この事前審査では、借りる人がたしかに返済をするだけの能力をもっているかどうかが焦点となってきますので、住宅ローンによる返済金額とその他の借金の返済金額のトータルが年収の大部分を占めていたりはしないかどうか、年齢的に定年退職をむかえて収入のあてがなくなってはいないかどうか、勤務先が信用のおける会社であるかどうか、勤続年数からみてこの先も仕事を継続して収入を確保できる見込みがあるかどうか、などといったことが判断材料とされます。逆にいえば、これらが条件を十分に満たしているようであれば、あまり事前審査の結果について心配をする必要はないかもしれないということになります。
そのほか、過去にカードローンの使いすぎなどによって自己破産や個人再生をしたような履歴がある人の場合には、本人自身の信用度がきわめて低いと考えられますので、勤務先などの他の条件に問題がなかったとしても、審査にパスできなくなってしまう可能性があります。