住宅ローンの事前審査に落ちないためには

注文住宅を新築するときには、多額の資金を用意しておかなければなりません。そもそも住宅というものは、サラリーマンの収入の何年分にもあたるようなものであるということに加えて、注文住宅の新築の場合は、一般的な建売住宅よりも業者側の手数がかかるという意味でも、よけいに余裕のある資金計画でなければならないといえます。
そこで、住宅ローンに対して申し込みをして、自己資金では不足する部分をおぎなうことになるわけですが、金融機関が提供している住宅ローンでは、通常、事前審査とよばれるものがあり、正式に契約をする前の段階で、断られてしまうようなこともあるのです。この事前審査については、個人にかかわる情報を金融機関側に申告するとともに、いくつかの書類を提出することになります。通常の場合、金融機関としては、長期にわたって返済するだけの資力があるかどうかを確認しますので、会社からの源泉徴収票や、税務署に提出した確定申告書の写しなどといった書類の提出を求めるとともに、年収、現在の勤務先、勤続年数などといったことがらを申込書のなかに記載させるものといえます。
しかし、こうした収入面での条件には、特に問題がなさそうであるのにもかかわらず、なぜか住宅ローンの事前審査に落ちてしまう場合があります。その場合ですが、他の借金などの個人信用情報をうたがってみる必要があるといえます。個人信用情報というのは、銀行系、消費者金融系、信販会社系といくつかある信用情報機関が保有している、特定の人の借金などについての情報のことをいいます。借金とはいっても、カードローンなども含みますので、これまで気軽に借りていたものが、実は大きな問題になっていたということが考えられます。
たとえばの話ですが、カードローンの返済金が引き落とされる口座に入金するのを忘れて、何回か返済を滞納してしまったという場合も、それが一定の期間になれば事故情報のような扱いとなってしまいます。こうしたもののほかに、過去に借金が支払えずに任意整理や個人再生、自己破産などといった手段を使って債務の弁済を免れた場合には、特に長期にわたって個人信用情報のなかにその事実が掲載されつづけてしまいます。個人信用情報についても、金融機関側ではそのつど照会して審査の際の参考としますので、現在の年収などには問題がなくても、過去に借金を踏み倒した信用力のない人と見られている可能性があるのです。